磁化による電気抵抗の変化で、脳や心臓の微弱な磁場を測る

強磁性体の磁化方向で電気抵抗が変わるトンネル磁気抵抗(TMR)効果を利用し、微弱な磁場を測る小型センサーと計測システムを開発する技術。

スピンセンシングファクトリー株式会社 宮城県 仙台市青葉区荒巻字青葉 / 2018年設立
研究発の技術 トンネル磁気抵抗効果 TMRセンサー スピントロニクス 量子スピンセンサー 生体磁場計測 心磁計
実用化の段階
研究実証販売
TMRセンサーによる生体磁場計測の研究成果と試作機が公表され、心磁計は治験前の実証段階とされる一方、医療機器としての承認・認証は確認できない。
3製品
6提携・顧客
5特許
3出資者

しくみ

解こうとしている課題

従来のSQUID式脳磁計・心磁計は、液体ヘリウム冷却や大型設備、磁気シールド室を要し、高コストで設置場所も限られる。小型で室温動作する高感度センサーにより、生体磁場計測の普及を目指す。

どう動くか

薄い絶縁層を二つの強磁性層で挟み、一方の磁化を固定、もう一方を外部磁場に反応して動くようにする。磁化の相対的な向きによる抵抗変化を読み取り、磁場を測る。東北大学の発表では、TMRセンサーを頭皮に密着させて脳磁図を測ることに成功し、試作脳磁計は64チャンネルで磁場を記録可能。脳磁場の周波数帯で100フェムトテスラ未満の分解能が報告されている。

できるようになること

冷却設備や専用の磁気シールド室への依存を減らし、脳・心臓の磁場計測をより小型・低コストにできる可能性がある。大学・公的機関は、てんかん等の診断や、心疾患の早期発見、インフラ検査、微小異物検査、電流モニタリングへの展開を挙げている。

技術の出自:東北大学大学院工学研究科の応用物理学・スピントロニクス分野と、東北大学大学院医学系研究科のてんかん学分野。JSTのS-イノベ「トンネル磁気抵抗素子を用いた心磁図および脳磁図と核磁気共鳴像の室温同時測定装置の開発」などが研究基盤。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • 心磁図・脳磁図などの生体磁場計測
  • 医療・ヘルスケア、疾患診断研究
  • 非破壊検査・金属の傷や破断の検知
  • 微小電流・電池電流のモニタリング
  • 社会インフラの検査
  • 微小異物検査
  • 機械・輸送分野の状態計測

優位性の主張

会社の主張
同社はTMRセンサーについて、小型・軽量、高感度で測定可能範囲が広く、既存の磁気センサーの代替や医療・ヘルスケア用途への展開が可能と説明している。 出典
大学の発表
東北大学の発表では、TMR素子による脳磁図計測に成功し、室温動作と頭皮への密着が可能になった。冷却・ヘリウム容器が必要な従来装置に比べ、小型化・低コスト化・量産化への道を開くと評価している。 出典
第三者の評価
Go-Techナビ掲載の事業成果では、心磁計向けTMRセンサーについて、1Hzで0.54pT/√Hz、ウェハ歩留まり80%以上、AIを用いたノイズ低減で0.1pT以下を報告。心磁計の導入コストは従来のSQUID式の約1/20との記載がある。各値は同事業の報告内容であり、条件・用途に依存する。 出典

製品・サービス

研究段階
ssf-TMR 磁気センサモジュール

TMR素子とアンプを含む研究開発用の磁気計測モジュール。生体磁場、金属の傷や破断、微小振動、微小電流などの計測を想定。 出典

研究機関、大学、センサー応用を検討する企業
試験導入
心磁計用TMRセンサー・生体磁場計測システム

TMRセンサーと計測・ノイズ低減技術を組み合わせ、心臓などの生体磁場を測定する装置の開発。 出典

医療機関、医療機器事業者、研究機関
販売中
磁気センサーの研究開発・カスタマイズサービス

原理検討、計測技術の研究、センサー試作、感度・ダイナミックレンジに合わせた設計と周辺回路の提供。 出典

磁気計測を必要とする企業・研究機関

これまでの歩み 新しい順

2026-05
規制・認証
TMRセンサーを用いた磁場計測システムの医療機器としての承認・認証(確認した臨床研究登録では対象機器は未承認で、承認・認証・届出番号はなし。健常者を対象とする特定臨床研究が募集中。) 出典
2026-03
受賞
総務省「令和7年度SCOPE研究開発奨励賞」 出典
2025-11
海外出展
公式サイトのお知らせに、2025年にInternational Society for the Advancement of Clinical Magnetoencephalographyの国際会議へ出展した旨の記載がある。 出典
2025-05
共同開発
大塚製薬株式会社:東北大学・同社と経口投与物の磁気検出関連特許を共同出願。臨床研究では関連物品を提供。 出典
2024-06
受賞
総務省「令和6年度「情報通信月間」東北総合通信局長賞」 出典
2024-01
受賞
総務省「SCOPE成果展開推進賞(スピントロニクス素子による非破壊検査イメージング技術の研究開発)」 出典
2024-01
共同開発
三菱電機株式会社:量子スピン脳磁計開発の産学連携プロジェクトに参画。 出典
2023-05
資金調達
5,000万円。東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(THVP-1号投資事業有限責任組合) 出典
残りの6件を表示
2022-07
資金調達
4,000万円。東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(THVP-1号投資事業有限責任組合) 出典
2021-10
資金調達
3,900万円。東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(THVP-1号投資事業有限責任組合) 出典
2021-03
融資
新型コロナ対策資本性劣後ローン・協調融資。2,000万円。株式会社日本政策金融公庫、株式会社七十七銀行 出典
2020-11
認定
経済産業省東北経済産業局・仙台市「J-Startup TOHOKU選定」 出典
2018-11
資金調達
1.5億円。東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(THVP運営ファンド) 出典
2018-11
資本提携
東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社:設立時に運営ファンドから1億5,000万円の出資を受けた。 出典

提携先・顧客

共同開発
東北大学 TMR素子・生体磁場計測の研究開発と社会実装プロジェクトで連携。 出典
共同開発
コニカミノルタ株式会社 東北大学と同社を含む体制でTMR素子アレイや生体磁場計測を共同開発。 出典
実証
UniMedical株式会社 心磁計に組み込んだTMRセンサーを用いて共同で実験を開始。 出典
共同開発
大塚製薬株式会社 東北大学・同社と経口投与物の磁気検出関連特許を共同出願。臨床研究では関連物品を提供。 出典
資本提携
東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社 設立時に運営ファンドから1億5,000万円の出資を受けた。 出典
共同開発
三菱電機株式会社 量子スピン脳磁計開発の産学連携プロジェクトに参画。 出典

特許

Google Patentsで日本語・英語の出願人名検索と関連公報の追跡を行い、技術に関係する公報を確認した。公開検索結果の完全性・名義揺れを網羅検証できないため件数は確定していない。
主な分野磁気抵抗効果素子・TMRセンサー、磁気センサーの構造・製造方法、生体磁場・磁場測定システム、磁気マーカー・検出システム、磁気を用いた経口投与物の検出
共同出願人コニカミノルタ株式会社、大塚製薬株式会社、東北大学
海外出願True
JP2022033514A / JP7795776B2「磁気センサおよび磁気センサの製造方法」 スピンセンシングファクトリー株式会社 / 登録(Google Patents上でActive) 出典
JP2022033515A / JP7809275B2「磁気センサ」 スピンセンシングファクトリー株式会社 / 登録(Google Patents上でActive) 出典
JPWO2019220907A1 / JP7226717B2「磁場測定システム」 スピンセンシングファクトリー株式会社、コニカミノルタ株式会社 / 登録(Google Patents上でActive) 出典
WO2025243919A1「経口投与物およびその製造方法、ならびに経口投与物の製造に用いる磁気インク」 スピンセンシングファクトリー株式会社、東北大学、大塚製薬株式会社 / 公開・審査中 出典
WO2017141999A1 / US10559748B2「トンネル磁気抵抗素子およびその製造方法」 東北大学、スピンセンシングファクトリー株式会社 / 米国登録、Google Patents上でActive 出典

会社の規模

資本金8,527万円(2025年度調査時点時点) 出典
大学との関係教職員等ベンチャー
公式サイトspintronics.co.jp

大学との関係

大学の認定
東北大学 東北大学が同社を東北大学発ベンチャーとして紹介している。 出典
大学の出資
東北大学 東北大学の100%出資子会社が運営するファンドから出資を受けたと大学が発表。東北大学の財務資料にも2021年の同社へのファンド出資が記載されている。 出典

出資者(公開情報で確認できた3社)

銀行・金融機関系 1大学系(大学VC・大学) 1公的機関・財団 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:24件
法人番号:1370001043522
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