カイコ蛹でワクチン抗原などのタンパク質を作る

カイコ蛹と組換えバキュロウイルスを使い、ワクチン抗原などの組換えタンパク質を生産する技術。受託発現や研究用試薬、飼料添加物、ワクチン開発に用いる。

KAICO株式会社 九州大学発 / 福岡県 福岡市 / 2018年設立
研究発の技術 バイオテクノロジー 組換えタンパク質 カイコ-バキュロウイルス発現系 経口ワクチン VLP 飼料添加物
実用化の段階
研究実証販売
タンパク質受託発現・試薬販売を展開し、KAICO Powderはベトナムで飼料添加物登録後に販売を開始したと会社が公表している。
4製品
9提携・顧客
2特許
14出資者

しくみ

解こうとしている課題

従来の発現法では作りにくいタンパク質の生産と、注射に伴う投与の手間・負担を減らす経口ワクチンの実用化を目指す。

どう動くか

目的タンパク質の遺伝子を組み込んだバキュロウイルスをカイコに感染させ、体内でタンパク質を発現させて回収・精製する。カイコ蛹を個別のバイオリアクターとして使うため大型培養設備を抑え、多品種の生産や段階的な増産ができると会社は説明する。経口ワクチンでは、ウイルス様粒子(VLP)などの抗原をカイコで作り、粉末等にして経口投与する研究を進めている。

できるようになること

会社は、経口投与により注射器や専門人材、コールドチェーンへの依存を減らし、養豚現場の投与作業や動物への負担を軽くできると説明する。タンパク質生産では、大型培養設備を抑えた生産基盤として、研究用試薬や医薬品原料などへの応用を進めている。

技術の出自:九州大学発。九州大学農学研究院の昆虫分野・カイコ研究、および大学のカイコ系統とバキュロウイルスに関する研究成果を基盤とする。九州大学大学院工学研究院のタンパク質設計・解析分野の研究も事業に活用。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • 研究用組換えタンパク質・試薬の受託生産
  • 診断薬・医薬品原料の開発・製造
  • ブタなどの動物用飼料添加物・経口ワクチン
  • ヒト用経口・注射ワクチンの研究開発
  • 畜産・養殖分野の感染症予防

優位性の主張

会社の主張
九州大学独自の生産性の高いバキュロウイルスと独自の遺伝子設計ノウハウにより、他の発現系では生産が難しい高品質タンパク質を作れると会社は主張する。 出典
会社の主張
会社説明では、受託発現130件で全プロジェクトの目的タンパク質発現を確認。一件あたりの比較条件や独立評価は同ページに記載されていない。 出典
会社の主張
会社は、ベトナムでのKAICO Powder投与作業時間が従来手法に比べ99%削減できたと報告している。 出典
大学の発表
九州大学の紹介では、カイコを効率的なバイオリアクターとして使い、タンパク質を生産する研究基盤が紹介されている。 出典

製品・サービス

販売中
タンパク質受託発現サービス

カイコ-バキュロウイルス発現系で依頼されたタンパク質を発現し、蛹由来試料を納品。受託後のオーダーメイド試薬販売にも対応。 出典

製薬・バイオ企業、大学・研究機関など
販売中
KAICO Powder for Pig

カイコ由来タンパク質を用いたブタ用飼料添加物。飼料に混ぜて給餌する。 出典

養豚事業者、飼料・畜産関連企業。ベトナムで販売開始。
実証
動物用経口ワクチン候補

カイコで生産した抗原を経口投与するワクチンを開発。豚用などの候補について研究・実証を進めている。 出典

畜産事業者、動物用医薬品企業
研究段階
ヒト用ワクチン候補(ノロウイルス等)

カイコ由来の組換えタンパク質・VLPを用いるワクチン候補。前臨床・製造基盤開発を進めている。 出典

製薬企業、医療機関・公的研究機関との開発を想定

これまでの歩み 新しい順

2026-03
海外提携
台湾:現地企業と、ブタ用飼料添加物の登録・適合性評価・将来の流通販売に向けた提携を締結したと会社が公表しています。 出典
2026-03
海外提携
タイ:現地畜産企業の農場でブタ用飼料添加物の野外実証試験を開始したと会社が公表しています。 出典
2026-03
実証
AMCOVET:タイの農場でKAICO Powderの約300頭規模の野外実証を開始。 出典
2026-03
販売提携
Reber Genetics:台湾でKAICO Powderの製品登録・現地評価と流通販売を進める提携先。 出典
2025-08
助成
NEDO DTSU DMPフェーズ「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の量産化実証」。18.96億円。NEDO 出典
2025-08
共同開発
日本曹達株式会社:動物用医薬品に関する共同研究開発契約を締結。 出典
2025-04
資金調達
シリーズB。5.4億円。伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、東京センチュリー株式会社、アグリビジネス投資育成株式会社、株式会社DGインキュベーション、肥銀キャピタル株式会社、株式会社佐銀キャピタル&コンサルティング 出典
2024-10
実証
DABACO Group:ベトナムの農場でKAICO Powderのブタ約2,000頭規模の野外実証を実施。 出典
残りの13件を表示
2024-09
海外提携
ベトナム:ブタ用飼料添加物が2024年9月に現地当局に登録され、現地畜産企業で実証試験を実施。現地販売を開始したと会社が公表しています。 出典
2024-09
規制・認証
KAICO Powder for Pig(ブタ用飼料添加物)のベトナム登録(ベトナム農業農村開発省に飼料添加物として登録済み。会社発表では販売開始。) 出典
2024-01
資金調達
シリーズA追加。2.9億円。株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、東京センチュリー株式会社、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、みずほキャピタル株式会社 出典
2023-10
助成
NEDO DTSU PCAフェーズ「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の事業化に伴う製造基盤技術開発」。NEDO 出典
2023-10
助成
NEDO「ディープテック・スタートアップ支援事業 PCAフェーズ「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の事業化に伴う製造基盤技術開発」」 出典
2022-10
助成
経産省 成長型中小企業等研究開発支援事業(交付決定)。2,755万円。経済産業省 出典(Gビズインフォ)
2022-06
助成
経済産業省「成長型中小企業等研究開発支援事業「カイコ-バキュロウイルス発現系を用いた経口ワクチンの製造基盤技術の開発」」 出典
2022-04
助成
水産庁「養殖業成長産業化提案公募型実証事業「生体カイコ利用経口イリドワクチンの開発」」 出典
2022-03
共同開発
株式会社ユーグレナ:九州大学等とともにカイコ発現系によるSARS-CoV-2組換えスパイクタンパク質の研究を実施。 出典
2021-12
資金調達
シリーズA追加。2.6億円。リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合、双日株式会社、東京センチュリー株式会社、株式会社ユーグレナ 出典
2021-05
共同開発
九州大学:カイコ発現系・経口ワクチンの研究開発および特許の共同出願。 出典
2020-05
資金調達
シリーズA。2.6億円。株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、東京センチュリー株式会社、国立研究開発法人科学技術振興機構 出典
2018-10
資金調達
シード。4,000万円。株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 出典

提携先・顧客

実証
DABACO Group ベトナムの農場でKAICO Powderのブタ約2,000頭規模の野外実証を実施。 出典
共同開発
双日株式会社 KAICO Powderのベトナム展開で協業し、現地販売パートナーとの関係構築を支援。 出典
販売提携
GreenVet社 ベトナム現地販売パートナー。飼料添加物の登録申請と養豚農家へのテスト販売を担う計画。 出典
実証
AMCOVET タイの農場でKAICO Powderの約300頭規模の野外実証を開始。 出典
販売提携
Reber Genetics 台湾でKAICO Powderの製品登録・現地評価と流通販売を進める提携先。 出典
共同開発
日本曹達株式会社 動物用医薬品に関する共同研究開発契約を締結。 出典
残りの3件を表示
共同開発
株式会社ユーグレナ 九州大学等とともにカイコ発現系によるSARS-CoV-2組換えスパイクタンパク質の研究を実施。 出典
共同開発
九州大学 カイコ発現系・経口ワクチンの研究開発および特許の共同出願。 出典
共同開発
鹿児島大学 九州大学・KAICOと経口ワクチンに関する共同研究・特許出願。 出典

特許

2 件 出典
Google PatentsでKAICOおよび共同出願人名義の経口ワクチン関連主要特許ファミリーを検索し、代表的な2件を確認。全技術分野の特許総数ではない。
主な分野カイコ蛹を用いた経口ワクチン組成物、カイコ-バキュロウイルス発現系由来の抗原・ワクチン
共同出願人九州大学、鹿児島大学
海外出願True
JP7678480B2 / WO2022215742A1「経口ワクチン組成物」 KAICO株式会社 / 日本登録(JP7678480B2)。WO公開。Google Patents上ではWO出願はCeasedと表示。 出典
JP7502739B2 / JPWO2023234407A1「経口ワクチン組成物」 KAICO株式会社 / 日本登録(2024-06)。Google Patents上でActiveと表示。 出典

会社の規模

従業員20名(2025-04-30時点) 出典
資本金5,500万円(2025-10時点) 出典
公式サイトkaicoltd.jp
決算期売上高純利益純資産総資産
2026-03-31—-7億円—6.76億円 出典
2025-03-31—-1.48億円—9.32億円 出典
2024-03-31—-1.07億円—5.78億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
九州大学 九州大学の技術シーズについて技術移転・ライセンスを受けたとJSTが公表しています。 出典
大学との関係
九州大学 九大キャップファンドの事業化検証プログラムから誕生した九州大学発ベンチャーとして、大学が設立を発表しています。 出典

出資者(公開情報で確認できた14社)

事業会社(CVCを含む) 5独立系VC 4銀行・金融機関系 4公的機関・財団 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:29件
法人番号:9290001081036
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