ナノゲルで抗原を鼻粘膜へ届け、呼吸器の免疫誘導を目指す

カチオン化コレステリルプルラン(cCHP)ナノゲルを使い、ワクチン抗原を鼻粘膜へ届ける経鼻ワクチン技術。

株式会社HanaVax 東京大学・鹿児島大学発 / 東京都 品川区 / 2016年設立
研究発の技術 経鼻ワクチン 粘膜免疫 カチオン化ナノゲル cCHP ワクチンデリバリー バイオ医薬品
実用化の段階
研究実証販売
肺炎球菌候補などでマウス・サルの非臨床データと企業へのライセンス実績がある一方、確認できた資料ではヒト臨床試験や製品承認・販売は示されていない。
6製品
5提携・顧客
8特許
0出資者

しくみ

解こうとしている課題

注射型ワクチンでは誘導しにくい、病原体の侵入口である上気道粘膜の免疫を高めること。経鼻投与では抗原を粘膜へ届ける技術や安全性の確保も課題となる。

どう動くか

プルランにコレステロール基と正電荷を持つ基を付けてナノゲルを作り、抗原を保持・被覆して鼻腔内に投与する。粘膜上での抗原保持と免疫細胞への取り込みを促し、呼吸器粘膜と全身の免疫を誘導する。東京大学の発表では、マウスでアジュバントなしの免疫誘導と安全性が示され、抗原の鼻腔内滞留は10時間以上確認された。

できるようになること

会社・大学の説明では、呼吸器粘膜と全身の免疫を誘導し、感染症の発症・重症化予防に加えて感染そのものの抑制を目指す。注射の痛みを避け、医療環境が限られた地域でも使いやすいワクチンにつながる可能性がある。

技術の出自:東京大学 医科学研究所 炎症免疫学分野を中心とする粘膜免疫・ナノゲル研究。東京医科歯科大学の生体材料工学研究所、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科などとの研究成果。HanaVaxは東京大学発ベンチャーと紹介されている。 出典1 出典2 出典3

使われる場面

  • 肺炎球菌感染症の予防
  • 新型コロナウイルス感染症の予防
  • インフルエンザ等の呼吸器感染症の予防
  • RSウイルス感染症の予防
  • HPV関連疾患の治療研究
  • 粘膜免疫を利用するワクチン抗原デリバリー

優位性の主張

会社の主張
cCHPを用いて呼吸器粘膜と全身の免疫を誘導できる独自のデリバリー技術と会社が説明している。 出典
大学の発表
大学の前臨床研究では、アジュバントなしで粘膜・全身の免疫応答を誘導し、マウスで中枢神経系への抗原移行が認められなかったと報告された。 出典
大学の発表
肺炎球菌PspAを用いた候補は、マウスからサルまで異なる動物種で有効性が確認され、サルの感染チャレンジ試験でも防御効果が報告された。 出典

製品・サービス

販売中
cCHP経鼻ワクチン・デリバリー技術

抗原をナノゲルで保持・被覆して鼻粘膜へ届ける技術。製薬企業へのライセンスを収益化する。 出典

ワクチンを開発・製造する製薬企業
研究段階
経鼻肺炎球菌ワクチン(PspA)

肺炎球菌表層タンパク質PspAを抗原とするcCHP経鼻ワクチン候補。 出典

感染症予防を目的とする製薬企業・医療市場
研究段階
新型コロナウイルス経鼻ワクチン

cCHP技術を使う新型コロナウイルス感染症向け経鼻ワクチン候補。 出典

感染症ワクチン市場、開発・製造パートナー
研究段階
HPV経鼻治療ワクチン

HPV由来抗原を用いるナノゲル経鼻治療ワクチン候補。公的研究評価では動物モデルで抗腫瘍活性を検討。 出典

子宮頸がん等の治療を目指す医療市場
研究段階
RSV経鼻ワクチン

RSV抗原とカチオン化ナノゲルを組み合わせた経鼻ワクチン候補。げっ歯類で防御免疫を報告。 出典

呼吸器感染症ワクチン市場
研究段階
経鼻インフルエンザワクチン

cCHP技術を用いるインフルエンザ経鼻ワクチンの研究開発。塩野義製薬の公表資料に開発計画がある。 出典

感染症ワクチン市場、開発・製造パートナー

これまでの歩み 新しい順

2023-08
助成
AMED SCARDA「カチオン化ナノゲルデリバリーシステムを軸としたインフルエンザ・新型コロナ経鼻ワクチン研究開発の採択」 出典
2022-03
共同開発
大阪大学:ノロウイルスGII.2特異的抗体の特許で共同出願人。 出典
2022-02
共同開発
千葉大学病院:塩野義製薬とHanaVaxがcCHP経鼻ワクチンの研究開発で連携。 出典
2021-08
助成
日本医療研究開発機構(AMED)「cCHPナノゲルHPV経鼻治療ワクチンの研究課題(課題管理番号20im0210623)」 出典
2021-07
海外提携
塩野義製薬に対し、カチオン化ナノゲル技術を用いたCOVID-19経鼻ワクチンの研究・開発・製造・流通・販売に関する全世界独占権を許諾。海外拠点の存在は確認できず。 出典
2021-07
提携
塩野義製薬株式会社:肺炎球菌・COVID-19経鼻ワクチンの独占ライセンス契約。開発・製造・販売権を取得。 出典

提携先・顧客

提携
塩野義製薬株式会社 肺炎球菌・COVID-19経鼻ワクチンの独占ライセンス契約。開発・製造・販売権を取得。 出典
共同開発
千葉大学病院 塩野義製薬とHanaVaxがcCHP経鼻ワクチンの研究開発で連携。 出典
共同開発
東京大学 粘膜免疫・ナノゲルに関する研究成果と特許の共同出願人。 出典
共同開発
大阪大学 ノロウイルスGII.2特異的抗体の特許で共同出願人。 出典
共同開発
京都大学 ナノゲル技術研究の連携先として大学発表で紹介。 出典

特許

8 件 出典(Gビズインフォ)
Gビズインフォの法人番号別特許欄に表示された件数。Google Patentsでは出願人名の表記揺れを含めて検索し、代表的な4件を記録した。件数は調査時に確認できた範囲で、特許ファミリー数ではない。
主な分野経鼻ワクチン・細胞性免疫、カチオン化ナノゲルによる抗原デリバリー、肺炎球菌表層タンパク質PspA、ウイルス抗体
共同出願人大阪大学、東京大学
海外出願True
WO2020027309A1/細胞性免疫を誘導する経鼻ワクチン 株式会社HanaVax、東京大学 / 日本特許 JP7445897B2 登録・存続。海外ファミリー出願あり。 出典
WO2020203731A1/肺炎球菌表層タンパク質 株式会社HanaVax、東京大学 / 日本特許 JP7531141B2 登録・存続。EP等の海外ファミリー出願あり。 出典
WO2022210465A1/ナノゲル被覆型ワクチン 株式会社HanaVax、東京大学 / 国際公開済み。JP、US、EP、AU、CA、CN、KR等に出願。 出典
JP2023139384A/ヒトノロウイルスGII.2特異的抗体 株式会社HanaVax、大阪大学、東京大学 / 公開・審査中。PCT出願の優先権記録あり。 出典

会社の規模

従業員1名 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトhanavax.co.jp
決算期売上高純利益純資産総資産
2026-03-31—2,086万円—5,629万円 出典
2025-03-31—-230万円—2,678万円 出典
2018-03-31—-8,292万円—6,833万円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
東京大学 東京大学の研究成果に由来する特許について、HanaVaxが独占的通常実施権の許諾を受けたとJSTの報告書に記載。 出典
共同研究
東京大学 東京大学・千葉大学・京都大学の研究者との長期の共同研究から経鼻ワクチン開発ベンチャーが生まれたと、塩野義製薬の発表に記載。 出典
大学との関係
鹿児島大学 JSTの大学・研究機関発スタートアップ資料で、HanaVaxに関連する大学として掲載。鹿児島大学の認定ベンチャー一覧には掲載されていない。 出典
調査日:2026-10-03
このページの出典:18件
法人番号:9010001180583
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