水を水蒸気やプラズマにして噴き出し、小型衛星の推力を得る

水を推進剤とする小型衛星用電気推進機。水蒸気を噴出するレジストジェット、水をプラズマ化して噴出するイオンスラスタなどを開発・製造する。

株式会社Pale Blue 東京大学発 / 千葉県 柏市 / 2020年設立
研究発の技術 宇宙推進 小型衛星 水推進剤 レジストジェット イオンスラスタ ホールスラスタ
実用化の段階
研究実証販売
PBR-10/20/50は工業生産・注文受付を公表し、PBR-10は衛星で軌道上作動、販売実績ありと文部科学省の事後評価に記載されている。
7製品
8提携・顧客
1特許
17出資者

しくみ

解こうとしている課題

小型衛星では、高圧ガスや有毒な推進剤の保管・取扱い、安全対策、推進機の小型化が課題となる。衛星コンステレーションの軌道変更や衝突回避、運用終了後の軌道離脱にも推進機が必要。

どう動くか

レジストジェットはタンク内の水を加熱して水蒸気にし、噴出させて推力を得る。水イオンスラスタは水蒸気をプラズマ化し、電気エネルギーで加速して噴出させる。レジストジェットとイオンスラスタを一体化したシステムでは、機動性の高い推力と燃費のよい推力を使い分けられる。水は常温常圧で保管でき、高圧ガスや有毒な推進剤に比べ、取扱いや衛星への搭載を簡素化できると説明されている。

できるようになること

水を使う推進機は、推進剤の保管や地上取扱いを簡素化し、小型衛星への搭載を容易にすることを目指す。軌道変更や衝突回避、軌道離脱に使える推進機の普及は、衛星運用の柔軟性を高め、スペースデブリ低減にも役立つと公的機関・会社が説明している。

技術の出自:東京大学の宇宙推進・電気推進研究。関連研究プロジェクトは「超小型探査機の大電力化時代に向けた統合『水』推進系の発展」。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • 小型衛星の軌道変更・軌道維持
  • 衛星コンステレーションの編隊飛行
  • 衛星の衝突回避・運用終了後の軌道離脱
  • 超低高度衛星・深宇宙探査機の推進
  • 軌道間輸送機

優位性の主張

会社の主張
同社は水を推進剤とするレジストジェットとイオンスラスタを統合し、1つのモジュールで異なる推進機能を提供するシステムを開発したと説明している。 出典
会社の主張
PBH-100は独自のマイクロ波カソードにより、小型衛星用ホールスラスタで一般的な起動待ち時間をなくす設計だと主張している。 出典
第三者の評価
JAXAの選定理由では、水を使う安全性・取扱性と、二種類の推進系を統合して多様な推進機能を実現する点が評価された。 出典
会社の主張
PBR-10は2025年にArkEdge Spaceの6U衛星上で作動し、複数回の作動を通じ平均推力が製品仕様の1mN以上だったと会社が公表した。 出典

製品・サービス

販売中
PBR-10

水蒸気式レジストジェット。0.5Uの統合型で、公開仕様は6W、推力1.0mN、総力積55Ns超。 出典

CubeSatの製造会社・衛星インテグレーター
販売中
PBR-20

1Uの水蒸気式レジストジェット。小型衛星向け製品ラインの一つで、工業生産・注文受付を公表。 出典

CubeSatの製造会社・衛星インテグレーター
販売中
PBR-30

2Uの水蒸気式レジストジェット。入力電力10~35Wで推力3~12mNの範囲に調整できる。 出典

30~50kg級の小型衛星事業者
販売中
PBR-50

水蒸気式レジストジェット。公開製品一覧では50Wで10mN推力の小型衛星向け製品。 出典

マイクロサットの製造会社・衛星インテグレーター
販売中
PBI

水を推進剤とするグリッド型イオンスラスタ。1U級の統合型で、総力積7,000Ns超を掲げる。 出典

ナノサット・マイクロサットの製造会社・衛星インテグレーター
販売中
PBH-100

水を推進剤とする小型ホールスラスタ。120~200W、推力5~7.7mNで、短い起動時間を特徴とする。 出典

50~200kg級のマイクロ・小型衛星事業者
研究段階
水ホールスラスタ(最大700kg級衛星向け)

水を推進剤とするホールスラスタ。製品一覧に掲載され、軌道上実証を含む開発が進められている。 出典

最大700kg級の小型衛星事業者

これまでの歩み 新しい順

2026-09
規制・認証
AS9100D:2016およびISO 9001:2015(小型衛星用推進系の設計・製造)(取得。登録番号C2026-05747。) 出典
2026-07
助成
文部科学省「SBIR-3フェーズ2のステージゲート通過後の助成上限」 出典
2026-01
共同開発
東京大学:宇宙戦略基金事業で超小型軌道間輸送機の開発に連携。 出典
2025-12
実証
株式会社アクセルスペース:PBH-100の2027年軌道上実証に向けた契約を締結。 出典
2025-08
資金調達
シリーズC。15億円。株式会社エースタート、ニッセイ・キャピタル株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、三菱電機株式会社、東急建設株式会社 出典
2025-05
顧客
株式会社アークエッジ・スペース:6U衛星AE1cにPBR-10を搭載し、軌道上作動を実証。 出典
2025-01
海外提携
イタリア:伊D-OrbitのION Satellite Carrierに水イオンエンジンを搭載し、軌道上実証を行う契約を発表。 出典
2025-01
認定
経済産業省「J-Startup選定」 出典
残りの17件を表示
2024-11
顧客
東京科学大学:早稲田大学と進めるGRAPHIUM計画向け推進系の電気モデルを供給。 出典
2024-11
共同開発
早稲田大学:東京科学大学とGRAPHIUM計画で連携し、衛星用推進系を検討。 出典
2024-06
資金調達
シリーズB。25億円。株式会社エースタート、グローバル・ブレイン株式会社、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、ごうぎんキャピタル株式会社、株式会社常陽キャピタルパートナーズ、住商ベンチャー・パートナーズ株式会社 出典
2024-03
受賞
内閣府「第6回宇宙開発利用大賞・JAXA理事長賞」 出典
2024-02
助成
文部科学省「SBIRフェーズ3・スペースデブリ低減に必要な技術開発・実証」 出典
2023-10
資金
シリーズB ファーストクローズ。10億円。三井住友海上キャピタル株式会社、インキュベイトファンド株式会社 出典
2023-10
助成
NEDO DTSU事業 DMPフェーズ 出典
2023-10
助成
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「NEDO DTSU・量産実証開発(DMP)」 出典
2023-08
海外顧客
韓国:韓国・延世大学の6Uキューブサット2機向けに水蒸気式推進機を受注。 出典
2023-08
顧客
延世大学校:6U衛星2機向けに水蒸気式推進機を供給する契約を公表。 出典
2023-01
顧客
ソニーグループ株式会社:STAR SPHEREの衛星EYE向けに水蒸気式推進機を提供。 出典
2022-12
共同開発
宇宙航空研究開発機構(JAXA):超小型電気推進機事業の共創活動で、推進機の改善や低圧タンク開発を推進。 出典
2022-07
助成
中小企業庁「Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)」 出典
2021-10
資金調達
シリーズA。4.9億円。インキュベイトファンド株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社、ヤマトホールディングス株式会社、グローバル・ブレイン株式会社 出典
2021-10
融資
2,000万円。商工組合中央金庫 出典
2021-04
助成
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「NEDO STS(研究開発型スタートアップ支援事業)」 出典
2020-10
資金調達
シード。7,000万円。インキュベイトファンド株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社 出典

提携先・顧客

顧客
ソニーグループ株式会社 STAR SPHEREの衛星EYE向けに水蒸気式推進機を提供。 出典
顧客
株式会社アークエッジ・スペース 6U衛星AE1cにPBR-10を搭載し、軌道上作動を実証。 出典
顧客
延世大学校 6U衛星2機向けに水蒸気式推進機を供給する契約を公表。 出典
顧客
東京科学大学 早稲田大学と進めるGRAPHIUM計画向け推進系の電気モデルを供給。 出典
共同開発
早稲田大学 東京科学大学とGRAPHIUM計画で連携し、衛星用推進系を検討。 出典
実証
株式会社アクセルスペース PBH-100の2027年軌道上実証に向けた契約を締結。 出典
共同開発
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 超小型電気推進機事業の共創活動で、推進機の改善や低圧タンク開発を推進。 出典
共同開発
東京大学 宇宙戦略基金事業で超小型軌道間輸送機の開発に連携。 出典

特許

1 件 出典
Google Patentsで出願人Pale Blue Inc.を検索し、関連する1ファミリーを確認。gBizINFOの特許2件は2013~2022年の法人番号特定分に限定される。
主な分野プラズマ発生装置、DCブロック、高周波電力伝送
共同出願人東京大学
海外出願True
JP7464897B2/WO2022195700A1/EP4311022A1/US12489184B2「DC block and plasma generation device using the same」 Pale Blue Inc.; University of Tokyo NUC / 日本・米国は登録、欧州は審査中。WO公開出願はGoogle Patents上でCeased表示。 出典

会社の規模

従業員53名(2025-09時点) 出典
資本金1億円 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトpale-blue.co.jp

大学との関係

大学との関係
東京大学 東京大学発ベンチャー。JSTのSTART支援を受け、大学での研究成果をもとに水を推進剤とする衛星推進システムと実証衛星を開発したと大学が紹介。 出典
共同研究
東京大学 宇宙航空科学技術推進委託費のプロジェクトに東京大学とともに採択され、月探査向け統合水推進系の開発を実施。 出典

出資者(公開情報で確認できた17社)

事業会社(CVCを含む) 5独立系VC 4銀行・金融機関系 8

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:36件
法人番号:6040001113279
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