アミン含有ゲルで、排ガスなどから二酸化炭素を回収する

九州大学発のアミン含有ゲルを用いたCO₂分離回収技術。固体吸収法と膜分離法を使い、燃焼排ガスなどからCO₂を回収・濃縮する。

株式会社JCCL 九州大学発 / 福岡県 福岡市西区 / 2020年設立
研究発の技術 CO₂回収 CCUS 固体吸収法 アミン含有ゲル 膜分離 減圧蒸気スイング
実用化の段階
研究実証販売
VPSA1とVSS1は2024年5月に製品化・受注開始し、月額利用サービスも提供。2025年には実排ガスや家庭用給湯器で実証し、VPSA2は2026年10月受注開始としている。
6製品
10提携・顧客
9特許
11出資者

しくみ

解こうとしている課題

CO₂回収はエネルギー消費とコストが大きく、特に小規模な排出源では導入しにくい。排ガスを乾燥する工程や高温加熱を抑え、回収の負担を減らすことを目指す。

どう動くか

アミンを含むゲルがCO₂を選択的に吸収し、減圧蒸気を与えてCO₂を放出させる方式と、ゲル粒子を多孔質膜に塗布してCO₂を透過させる方式がある。会社は、高湿度のガスを事前乾燥せずに処理でき、従来のアミン水溶液より低温で脱着できると説明している。VPSA1は減圧蒸気を制御して吸収剤から回収し、VSS1は減圧蒸気スイープで膜の分離性能を評価する。

できるようになること

会社と大学は、回収装置・材料を工場や小規模燃焼設備で使い、回収CO₂をメタネーションなどに利用する展開を進めている。実装が広がれば、排出源近くでの回収と資源利用の選択肢を広げるとしている。

技術の出自:九州大学大学院工学研究院のガス分離・CO₂回収材料研究。NEDO、JST、JAXAの支援による研究開発成果。 出典1 出典2 出典3

使われる場面

  • 工場・都市ガス設備などの燃焼後排ガスからのCO₂回収
  • 家庭用給湯器など小規模燃焼設備の排ガス回収実証
  • 膜を使った直接空気回収(DAC)の研究・評価
  • 回収CO₂のメタネーション、ドライアイス製造などの利活用
  • CO₂回収材料・膜・プロセスの研究開発と性能評価

優位性の主張

会社の主張
会社は、吸収剤が高湿度環境でも安定して働き、排ガスや空気を事前乾燥せずに回収できると説明している。 出典
会社の主張
会社は、従来のアミン水溶液よりCO₂との結合が弱く、脱着時の高温加熱が不要になるため、低コスト化が可能と主張している。 出典
大学の発表
九州大学は、VPSA1が調湿したCO₂含有ガスから1日約2kgを97%以上に濃縮・回収でき、VSS1では濃度13%のCO₂を1か月以上安定して97%以上に濃縮したと発表している。 出典

製品・サービス

販売中
VPSA1(減圧蒸気スイング型CO₂回収装置)

固体吸収剤と減圧蒸気を用い、CO₂を回収・濃縮する小規模装置。会社発表では都市ガス燃焼後排ガスから約2kg/日を回収。 出典

企業・大学・公的機関の研究開発部門、工場など
販売中
VSS1(減圧蒸気スイープ型膜分離性能評価装置)

CO₂分離膜の性能を評価する装置。減圧と蒸気供給を制御し、膜を使った回収プロセスの設計にも利用できる。 出典

企業・大学・公的機関の研究開発部門
販売中
アミン含有ゲルCO₂吸収剤

高湿度の排ガスなどからCO₂を吸収し、減圧蒸気で脱着する固体吸収材料。 出典

CO₂回収装置メーカー、研究機関、回収プロセスを検討する企業
販売中
アミン含有ゲルCO₂分離膜塗工液

ゲル粒子を多孔質膜に塗布し、CO₂選択透過膜を形成するための塗工液。 出典

膜メーカー、研究機関、CO₂分離プロセスを検討する企業
販売中
VPSA2(減圧蒸気スイング型CO₂回収装置)

コンテナ型装置。都市ガス燃焼後排ガスなどから高純度CO₂を約30kg/日回収する製品。 出典

企業、大学・研究機関、国・自治体。実排ガス回収やCO₂利用の実証向け。
販売中
CO₂回収装置・材料の試験受託、プロセス検討・コンサルティング

CO₂回収材料・装置の評価、回収プロセスの検証や事業プロジェクトへの参画を行う。 出典

CO₂回収を検討する企業、大学・研究機関、公的機関

これまでの歩み 新しい順

2026-09
受賞
株式会社リバネス「エコテックグランプリ2026 企業賞(東海カーボン賞)」 出典
2026-07
資金調達
シリーズB(1st Close)。金額は非公表。ONE Innovators株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、大日本印刷株式会社、日本ゼオン株式会社、東洋製罐グループホールディングス株式会社 出典
2025-12
共同開発
ヤマハ発動機株式会社:中小企業向け省エネ型CO₂回収装置の技術開発と事業モデルを検討。 出典
2025-09
共同開発
大日本印刷株式会社:CO₂分離回収技術を活用した事業開発で協業。分析サービスも開始。 出典
2025-06
実証
福岡市:研究開発型スタートアップ支援事業の支援で排ガス回収実証を実施。 出典
2025-04
提携
三菱HCキャピタル株式会社:装置の月額利用と保守を含むサービス提供スキームを開始。 出典
2025-03
共同開発
東洋製罐グループホールディングス株式会社:装置の標準化・スケールアップと製造を含む社会実装に向けて協業。 出典
2025-03
実証
東洋鋼鈑株式会社:下松事業所でVPSA1を用いた設備運用実証を行う計画を公表。 出典
残りの6件を表示
2024-10
資金調達
シリーズA。4億円。株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ、DBJキャピタル株式会社、QBキャピタル合同会社、株式会社NCBベンチャーキャピタル、ニッセイ・キャピタル株式会社、インクルージョン・ジャパン株式会社 出典
2024-08
助成
福岡市「福岡市研究開発型スタートアップ成長支援事業 Bコース(都市ガス排ガスからのCO₂回収実証)」 出典
2023-12
共同開発
西部ガス株式会社:環境省委託のメタネーション実証で、CO₂分離回収装置の設計・開発・実証に関与。 出典
2023-08
資金調達
J-KISS(有償型新株予約権)。2億円。インクルージョン・ジャパン株式会社、QBキャピタル合同会社、株式会社NCBベンチャーキャピタル 出典
2022-08
資金調達
VC調達。1億円。インクルージョン・ジャパン株式会社、QBキャピタル合同会社 出典
2021-11
助成
福岡市「福岡市研究開発型スタートアップ成長支援事業(令和3年度)」 出典

提携先・顧客

共同開発
九州大学 大学発技術の知財・ノウハウを基に装置・材料を製品化。 出典
実証
福岡市 研究開発型スタートアップ支援事業の支援で排ガス回収実証を実施。 出典
共同開発
西部ガス株式会社 環境省委託のメタネーション実証で、CO₂分離回収装置の設計・開発・実証に関与。 出典
共同開発
東洋製罐グループホールディングス株式会社 装置の標準化・スケールアップと製造を含む社会実装に向けて協業。 出典
共同開発
三井物産プラスチック株式会社 販路開拓や販売網を活用した市場展開に向けて協業。 出典
実証
東洋鋼鈑株式会社 下松事業所でVPSA1を用いた設備運用実証を行う計画を公表。 出典
残りの4件を表示
提携
三菱HCキャピタル株式会社 装置の月額利用と保守を含むサービス提供スキームを開始。 出典
共同開発
大日本印刷株式会社 CO₂分離回収技術を活用した事業開発で協業。分析サービスも開始。 出典
共同開発
ヤマハ発動機株式会社 中小企業向け省エネ型CO₂回収装置の技術開発と事業モデルを検討。 出典
共同開発
サクラ工業株式会社 中小企業向け省エネ型CO₂回収装置の技術開発と事業モデルを検討。 出典

特許

9 件 出典
公式技術ページに掲載された国内特許9件を確認した範囲の件数。Google Patentsでは会社名・英語名と技術語で追加検索し、ここに代表例を記載。全世界の特許ファミリー総数ではない。
主な分野アミン含有ゲルによるガス吸収材料・吸収体、CO₂分離膜・ガス分離材・フィルター、CO₂回収装置・回収方法、ガス供給制御
海外出願True
特許第7244122号「ガス吸収材料、そのガス吸収への使用、ガス吸収体およびガス吸収方法…」 株式会社JCCL(九州大学から移転された知財を含む) / 登録 出典
特許第7454755号「単層膜、複合体、ガス分離材、フィルター、ガス分離装置および複合体の製造方法」 株式会社JCCL / 登録・有効 出典
JP2024113016A「ガス吸収材料、ガス吸収体、ガス分離材料、フィルター及びガス分離装置」 株式会社JCCL / 出願中 出典
WO2025216211A1「Carbon dioxide separation device and combustion system including same」 Jccl Inc / 出願中 出典
CN113874106B「气体吸收材料、气体吸收体、气体分离材料、过滤器及气体分离装置」 JCCL Co Ltd、国立大学法人九州大学 / 登録・有効 出典

会社の規模

従業員27名 出典
資本金3.75億円(2026-10時点) 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトjccl.jp
決算期売上高純利益純資産総資産
2025-06-30—-2.66億円—4.89億円 出典
2024-06-30—-1.19億円—2.51億円 出典(Gビズインフォ)
2023-06-30—-5,513万円—2.71億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
九州大学 九州大学で開発されたアミン含有ゲルに関する特許・技術を独占的に移転。 出典
共同研究
九州大学 2022年から九州大学・JCCL・西部ガスの組織対応型連携による共同研究を開始し、CO₂回収装置を使った実証に参加。 出典

出資者(公開情報で確認できた11社)

事業会社(CVCを含む) 4独立系VC 1銀行・金融機関系 4大学系(大学VC・大学) 2

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:26件
法人番号:5290001091212
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