免疫に見つかりにくいiPS細胞から、がんを狙う細胞療法を開発

iPS細胞を免疫回避型に遺伝子改変し、がんや自己免疫疾患を狙うT細胞・NK細胞へ分化させる他家細胞療法技術。

シノビ・セラピューティクス株式会社 京都府 京都市左京区
研究発の技術 iPS細胞 再生医療 細胞療法 免疫回避 遺伝子改変 T細胞
実用化の段階
研究実証販売
公式パイプラインはNJA-001とNJA-201のIND目標年を2026年として掲載し、AMED資料も非臨床から臨床試験に向けた開発を記載している。販売製品や治験開始の確認はできなかった。
3製品
3提携・顧客
3特許
12出資者

しくみ

解こうとしている課題

患者自身の免疫細胞を使う治療は、細胞の量や品質のばらつき、製造費用、患者の免疫による拒絶が課題。固形がんでは腫瘍環境による機能低下や反復投与の難しさもある。

どう動くか

iPS細胞にHLA関連遺伝子の改変や免疫細胞への防御機能を加え、患者の免疫系による拒絶を抑える。これをT細胞またはNK細胞に分化させ、標的を認識するTCRやCAR、細胞機能を支える遺伝子を導入する。患者ごとに細胞を採取せずに製造し、反復投与できる治療を目指す。会社は自然免疫、T細胞、抗体による拒絶への対処を主張している。

できるようになること

実用化すれば、患者ごとの細胞採取への依存を減らし、品質をそろえた細胞製剤の供給や反復投与を目指せる。会社と共同研究先は、製造の自動化・低コスト化を通じて細胞治療へのアクセスを広げる方針を示している。

技術の出自:京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)のiPS細胞由来T細胞分化研究、および米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の低免疫原性化研究。京都大学発の旧サイアス株式会社を母体とし、米国Evade Biotechnologyとの統合を経て事業化。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • GPC3陽性の肝細胞がん、大腸がん、非小細胞肺がんを対象とした細胞療法
  • CD19陽性細胞を標的とする自己免疫疾患向け細胞療法
  • 膠芽腫向け細胞療法
  • iPS細胞由来免疫細胞の製造・培養技術

優位性の主張

会社の主張
会社は、自然免疫・T細胞・抗体による拒絶を抑える免疫回避技術と、免疫抑制的な腫瘍環境で働くための遺伝子改変を組み合わせたプラットフォームを主張している。 出典
会社の主張
会社は、iPS細胞を出発材料にした他家製剤により、患者自身の細胞採取に依存せず、反復投与可能な治療を目指している。 出典
大学の発表
京都大学・国立がん研究センターのAMED資料は、NJA-201でIL-15による細胞傷害性強化と低免疫原性化技術を組み合わせ、免疫拒絶を避けた反復投与を目指すと説明している。 出典

製品・サービス

研究段階
NJA-001

GPC3を認識するTCRを導入したiPS細胞由来CD8αβ T細胞。固形がん向けの他家細胞療法候補。 出典

GPC3陽性の肝細胞がん、大腸がん、非小細胞肺がんの患者を想定。医療機関での治験・治療を想定するが、顧客契約は未公表。
研究段階
NJA-201

CD19 CARを導入した低免疫原性iPS細胞由来NK細胞。自己免疫疾患向けの他家細胞療法候補。 出典

既存治療に抵抗性の全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、重症筋無力症などの患者を想定。
研究段階
NJA-301

CARを導入したiPS細胞由来T細胞。膠芽腫向けの開発候補。 出典

膠芽腫の患者を想定。

これまでの歩み 新しい順

2026-07
融資
転換社債型新株予約権付社債による追加投資。京都大学イノベーションキャピタル株式会社 出典
2025-11
海外出展
米国:2025年の米国がん免疫療法学会(SITC)年次会議で、同社の研究データを発表すると公表。
2025-11
助成
AMED「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業「iPS細胞由来T細胞製造法の構築、分化誘導CDMOの立ち上げ」」 出典
2024-12
助成
AMED「創薬ベンチャーエコシステム強化事業「自己免疫疾患を対象としたCD19 CAR導入低免疫原性同種iPS細胞由来NK細胞療法(NJA-201)」」 出典
2024-08
資金調達
シリーズA延長。金額は非公表。Yosemite、三菱UFJキャピタル株式会社 出典
2024-08
助成
AMED助成(上限額)。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 出典
2024-08
共同開発
Anocca AB:TCRの探索・開発を通じ、固形がん向けiPS-T細胞療法の開発で協力。 出典
2024-05
海外提携
スウェーデン:スウェーデンのAnocca ABと、同社のTCR候補をShinobiの免疫回避型iPS-T細胞基盤と組み合わせ、固形がん向け治療を共同開発する戦略提携を発表。 出典
残りの12件を表示
2024-04
共同開発
パナソニック ホールディングス株式会社:CiRAとともにiPS-T細胞療法の密閉系製造装置・製造基盤を共同開発。 出典
2024-04
共同開発
京都大学 iPS細胞研究所(CiRA):パナソニックとiPS-T細胞療法の製造技術を共同開発。技術の研究基盤でもある。 出典
2024-02
受賞
日本再生医療学会「再生医療イノベーションAward Startup Company部門」 出典
2023-12
資金調達
シリーズA。金額は非公表。EQT Life Sciences、F-Prime Capital Partners、Eight Roads Ventures Japan、Astellas Venture Management LLC、株式会社ファストトラックイニシアティブ、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社 出典
2023-11
助成
AMED「創薬ベンチャーエコシステム強化事業「GPC3発現固形がんを対象とした低免疫原性同種iPS細胞由来細胞傷害性T細胞療法」」
2023-02
海外
米国:米国法人を親会社とし、日本法人を子会社とする組織体制へ移行したと公表。日本と米国に拠点を置いて事業を展開。 出典
2022-12
助成
AMED「CiCLE(スタートアップ型ViCLE)「GPC3発現手術不能再発進行性肝細胞がんを対象としたiPS細胞由来細胞傷害性T細胞療法」」 出典
2022-02
資金調達
シリーズB。21.3億円。Eight Roads Ventures Japan、F-Prime Capital Partners、D3合同会社 出典
2021-10
資金調達
シリーズA3。3億円。京都大学イノベーションキャピタル株式会社、D3合同会社 出典
2019-11
資金調達
第三者割当増資。2.4億円。中信ベンチャーキャピタル株式会社 出典
2019-06
資金調達
シリーズA。6億円。京都大学イノベーションキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社 出典
2017-05
資金調達
シード投資。5,000万円。京都大学イノベーションキャピタル株式会社 出典

提携先・顧客

共同開発
パナソニック ホールディングス株式会社 CiRAとともにiPS-T細胞療法の密閉系製造装置・製造基盤を共同開発。 出典
共同開発
京都大学 iPS細胞研究所(CiRA) パナソニックとiPS-T細胞療法の製造技術を共同開発。技術の研究基盤でもある。 出典
共同開発
Anocca AB TCRの探索・開発を通じ、固形がん向けiPS-T細胞療法の開発で協力。 出典

特許

3 件 出典
Google PatentsでShinobi Therapeutics Co Ltd/Incおよび関連語を検索し、同社が出願人に含まれる関連ファミリーを3件確認。網羅を保証する件数ではなく、WO出願の対応する各国出願は別ファミリーに重複計上していない。
主な分野iPS細胞からのT細胞分化・製造、TCRを持つ細胞傷害性リンパ球、免疫回避型細胞・SIRPα engager
共同出願人University of California Berkeley、University of California San Diego、京都大学
海外出願True
WO2024242080A1「多能性幹細胞からCD4シングルポジティブヘルパーT細胞を含む細胞集団を製造する方法」 Shinobi Therapeutics Co Ltd、京都大学 / PCT出願は ceased 表示。対応する日本・欧州出願はGoogle Patentsで審査中表示。 出典
WO2025220666A1「Cytotoxic Lymphocytes Expressing Variable Region-Deleted T Cell Receptors」 Shinobi Therapeutics Co Ltd / PCT出願中。 出典
WO2025090961A2/A3「SIRPα Engager Cells」 Shinobi Therapeutics Inc、University of California Berkeley、University of California San Diego / PCT出願中。 出典

会社の規模

公式サイトshinobitx.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2025-12-31—-15.08億円—23.69億円 出典
2024-12-31—-17.72億円—32.88億円 出典
2023-12-31—-6.72億円—32.89億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

大学との関係
京都大学 京都大学iPS細胞研究所の研究成果を基に創業した京都大学発ベンチャーとして紹介されている。 出典
大学の施設
京都大学 京都大学のINNOVATION HUB KYOTOの入居企業として掲載。alliance LABおよびIncubation CORE-LABの入居企業一覧に記載。 出典
共同研究
京都大学 京都大学、筑波大学、千代田化工建設と、iPS細胞由来免疫細胞の安定的かつ効率的な製造工程・技術の確立に関する共同研究契約を開始。 出典
共同研究
筑波大学 京都大学、千代田化工建設とともに、iPS細胞由来免疫細胞の製造工程・技術確立に関する共同研究契約を開始。 出典
共同研究
京都大学 京都大学iPS細胞研究所、パナソニックホールディングスと、iPS細胞を活用した個別化がん治療方法の確立・普及を目指す共同開発プロジェクトを開始。 出典

出資者(公開情報で確認できた12社)

事業会社(CVCを含む) 1独立系VC 6銀行・金融機関系 3大学系(大学VC・大学) 1公的機関・財団 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:27件
法人番号:3130001055894
内容の誤りを知らせる