熱エネルギーを発光に生かす材料で、高効率な有機ELを目指す

TADFと蛍光材料を組み合わせる有機EL発光材料技術。希少金属を使わず、高効率と高色純度の両立を目指す。

株式会社Kyulux 九州大学・京都大学発 / 福岡県 福岡市西区九大新町 / 2015年設立
研究発の技術 有機EL OLED発光材料 TADF Hyperfluorescence 有機光エレクトロニクス 材料インフォマティクス
実用化の段階
研究実証販売
2020年4月にWiseChipへの発光材料出荷を開始し、採用PMOLED製品も公表されている。量産供給体制は2024年時点で日本曹達と構築中と発表。
2製品
4提携・顧客
590特許
21出資者

しくみ

解こうとしている課題

従来の蛍光材料は発光効率が限られ、リン光材料は希少金属の使用や色純度が課題となる。青色を含む高効率・長寿命・高色純度の有機EL発光材料も求められている。

どう動くか

TADF分子は熱エネルギーを使って三重項励起子を一重項状態へ戻し、内部量子効率を高める。Hyperfluorescence™では、その励起エネルギーを狭い発光スペクトルを持つ蛍光分子へ移して発光させる。会社は高効率・高色純度・希少金属不使用を特長としている。

できるようになること

実用化が進めば、希少金属に頼らない有機EL発光材料の選択肢が増え、ディスプレイの電力効率や色再現性、材料供給体制の改善につながると会社・大学は説明している。

技術の出自:九州大学 応用化学分野、OPERA(有機光エレクトロニクス研究センター)の有機光エレクトロニクス研究。 出典1 出典2 出典3

使われる場面

  • スマートフォン、タブレット、PC、テレビ向け有機ELディスプレイ
  • PMOLEDディスプレイ(医療・産業・電子機器、ウェアラブル・携帯機器)
  • 自動車、AR/VR向けディスプレイ
  • 有機EL照明

優位性の主張

会社の主張
Hyperfluorescence™は高い内部量子効率と狭い発光スペクトルを組み合わせ、希少金属を使わず高色純度を実現すると会社は説明している。 出典
会社の主張
会社の2021年発表では、トップエミッション構造のシミュレーション条件で、リン光方式に比べピーク発光強度が60%超高く、EQEが約10%高いと報告した。 出典
第三者の評価
特許庁の知財功労賞資料は、同社の国内外特許出願累計を約590件と紹介している。 出典

製品・サービス

販売中
TADF / Hyperfluorescence™ OLED発光材料

有機ELの発光層に用いるTADF材料、蛍光材料など。WiseChip向けに出荷実績が公表されている。 出典

有機ELディスプレイメーカー、材料メーカー。WiseChipは医療・産業・電子機器向けPMOLED用途を公表。
研究段階
Kyumatic™

材料特性予測と評価データを用いて発光材料開発を支援するAIベースの材料探索システム。 出典

これまでの歩み 新しい順

2026-02
海外提携
韓国:SK Materials JNCとOLED向け緑色材料の知的財産・技術ノウハウのライセンス契約を締結。SKMJが商業化を進め、2027年の量産供給を目指す。 出典
2024-11
共同開発
日本曹達株式会社:TADF材料の製造プロセス開発、量産体制構築に向けて協業。資本業務提携も公表。 出典
2023-12
資金調達
Series C。42.7億円。El Camino Capital、MCP Group 出典
2023-04
受賞
経済産業省・特許庁「知財功労賞 経済産業大臣表彰」 出典
2023-03
融資
JST A-STEP実装支援(返済型) 出典
2023-02
助成
NEDO 青色Hyperfluorescence早期実用化支援 出典
2023-02
助成
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型スタートアップ支援事業(青色Hyperfluorescence™材料開発)」 出典
2021-07
受賞
日本OLEDフォーラム「第14回日本OLEDフォーラム優秀賞」 出典
残りの9件を表示
2021-02
資金調達
Series B-prime。36.25億円。Shanghai Pudong Science and Technology Investment 出典
2020-04
顧客
WiseChip Semiconductor Inc.:Hyperfluorescence™材料の出荷先。採用ディスプレイを共同で市場投入。 出典
2019-10
海外顧客
台湾:台湾のWiseChip向けに発光材料を出荷し、同社がHyperfluorescence対応PMOLEDの商業出荷を開始したと紹介。 出典
2019-10
認定
認証機関の公表なし「ISO 9001認証」 出典
2019-10
規制・認証
ISO 9001 品質マネジメントシステム認証(2019年10月11日取得と会社が公表。製品の規制当局承認ではなく品質マネジメントシステム認証。) 出典
2019-05
資金調達
Series B。34.8億円。WRVI Capital、京都大学イノベーションキャピタル、三菱UFJキャピタル、Golden Asia Fund Ventures、Motion Hightech、株式会社四条 出典
2017-07
共同開発
WiseChip Semiconductor Inc.:2017年からHyperfluorescence™ PMOLEDの商用化に向けて協業。 出典
2016-04
資金調達
Series A。15億円。JST、九州大学、QBキャピタル、株式会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル 出典
2015-02
助成
NEDO「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」助成。9,200万円 出典

提携先・顧客

顧客
WiseChip Semiconductor Inc. Hyperfluorescence™材料の出荷先。採用ディスプレイを共同で市場投入。 出典
共同開発
WiseChip Semiconductor Inc. 2017年からHyperfluorescence™ PMOLEDの商用化に向けて協業。 出典
共同開発
日本曹達株式会社 TADF材料の製造プロセス開発、量産体制構築に向けて協業。資本業務提携も公表。 出典
共同開発
国立大学法人九州大学 基本知財の移転や共同研究を通じて研究成果の社会実装を支援。 出典

特許

590 件 出典
特許庁の2023年知財功労賞資料にある国内外特許出願累計の概数。今回のGoogle Patents検索では全出願を網羅照合せず、代表例を確認した。
主な分野有機EL発光材料・化合物、TADF材料と遅延蛍光、Hyperfluorescence発光素子・蛍光体、発光素子・ディスプレイ構造
海外出願True
US11322693B2 — Organic light-emitting element, and light-emitting material and fluorescent body used in same Kyushu University NUC、Kyulux Inc / 登録 出典
US11884853B2 — Electroluminescent display devices and methods of making the same Kyulux Inc / 登録 出典
US20240373749A1 — Organic electroluminescence element Kyushu University NUC、Kyulux Inc / 出願中(公開公報) 出典
TADF材料および有機エレクトロルミネッセンス素子への応用(WO2017101675A1) Kyulux Inc / 公開公報。Google Patentsのファミリー情報にUS・EP・JP・KR・CN・TWを掲載。 出典

会社の規模

従業員85名(2025-09-30時点) 出典
資本金1億円(2024時点) 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトkyulux.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2025-12-31—-15.42億円—6.17億円 出典
2024-12-31—-20.45億円—22.16億円 出典
2023-12-31—-19.54億円—32.05億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
九州大学 九州大学のTADF・Hyperfluorescence技術のライセンスを受け、事業化を進めている。 出典
共同研究
九州大学 OPERAが分光・理論解析などで同社の研究開発を支援。 出典
共同研究
京都大学 京都大学化学研究所との共同研究で新規TADF材料の分子設計とデバイス性能向上に取り組んだ。 出典
大学の出資
京都大学 京都大学イノベーションキャピタルが運営するファンドが、Kyuluxの第三者割当増資のうち約1億円を引き受けた。 出典
ライセンス
ハーバード大学 材料開発を支援するAIシステムKyumaticについて、ハーバード大学からライセンスを受けたと会社が説明。 出典

出資者(公開情報で確認できた21社)

事業会社(CVCを含む) 8独立系VC 7銀行・金融機関系 2大学系(大学VC・大学) 3公的機関・財団 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

同じ研究室から生まれた会社

京都大学 化学研究所フリューゲルズ
調査日:2026-10-03
このページの出典:31件
法人番号:2290001069351
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