海水の温度差や工場排熱を、溶接式熱交換器で発電に生かす

佐賀大学と連携し、海洋温度差発電(OTEC)や産業排熱回収向けの全溶接プレート式熱交換器を設計・製造する。海洋深層水の取水技術も開発している。

株式会社ゼネシス 佐賀大学発 / 東京都 江東区 / 1989年設立
研究発の技術 海洋温度差発電 海洋深層水 全溶接プレート式熱交換器 排熱回収 温度差発電 熱交換
実用化の段階
研究実証販売
XPプレートは有価証券報告書で2012年から製造販売を開始したとされる一方、OTECは久米島などで商用化に向けた実証事業が進行している。
3製品
6提携・顧客
17特許
5出資者

しくみ

解こうとしている課題

海洋温度差や工場排熱などの未利用熱を発電・熱回収に使う際の熱交換効率、設備規模、深層水取水管の敷設費用が課題。従来の硬質取水管は工事費が高く、深層水の活用を妨げていた。

どう動くか

OTECは表層の温かい海水で作動流体を蒸発させ、深層の冷たい海水で凝縮させ、その圧力差でタービンを回す。ゼネシスは発電設備の設計と熱交換器製造を担い、XPプレートは伝熱プレートを全溶接してガスケットをなくした構造。近年は軟質ホースで深層水を洋上から取水する方式も開発し、深海ポンプと巻上装置を組み合わせている。

できるようになること

OTECの発電と深層水の複合利用が実用化すれば、島しょ地域などで再生可能エネルギーや淡水・冷熱を活用する選択肢が広がる。XPプレートは工場の排熱回収などに使われ、燃料使用量やCO2排出の削減に寄与しうる。

技術の出自:佐賀大学理工学部・海洋エネルギー研究所の海洋温度差発電研究。佐賀大学とゼネシスはOTECの研究開発・実用化に連携している。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • 海洋温度差発電
  • 海洋深層水の淡水化・複合利用
  • 産業排熱・未利用熱の回収
  • 化学プラントの蒸発・凝縮・蒸留プロセス
  • 地熱・温泉熱発電
  • 食品工場の廃水熱回収

優位性の主張

会社の主張
同社はXPプレートを、ガスケット式と比べて高温・高圧条件に対応し、低い圧力損失で蒸発・凝縮を行える熱交換器と説明している。初期費用が高くなる点も有価証券報告書で説明している。 出典
会社の主張
食品工場向け導入事例では、約230kW相当の排熱回収を想定した試算として、年間1,159GJの熱回収、燃料費約300万円・CO2排出量68tの削減を示している。運転時間などを置いた試算値。 出典
第三者の評価
中小企業庁の技術紹介では、軟質ホースを用いる深層水取水方式について、従来比で設置費用を一桁減らし、工期を1週間以内とする目標を掲げた。実地試験では水深665mからの取水に成功したと報告されている。 出典

製品・サービス

販売中
全溶接プレート式熱交換器 XPプレート(XPシリーズ)

ガスケットを使わない全溶接構造のプレート式熱交換器。発電、化学プロセス、工場排熱回収などに用いる。 出典

発電事業者、化学・食品工場など熱源を持つ事業者
試験導入
海洋温度差発電(OTEC)設備・エンジニアリング

海水の表層と深層の温度差を用いる発電システムの設計・製造。久米島などで商用化に向けた実証に参画。 出典

島しょ地域の発電・水産・観光事業者、自治体、研究機関
試験導入
海洋深層水の革新的取水システム

深海ポンプ、軟質ホース、専用巻上装置を用いて海洋深層水を取水する技術。 出典

OTEC・深層水利用事業者、自治体、川下企業

これまでの歩み 新しい順

2025-05
海外提携
モーリシャス:JICA調査業務を株式会社ゼネシスが代表する共同企業体が受託。 出典
2023-03
共同開発
佐賀大学:OTECの研究開発・実証に連携。久米島の商用化実証にも参加。 出典
2022-10
助成
環境省「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(久米島OTEC実証)」 出典
2022-06
助成
NEDO助成(モーリシャス海洋温度差発電実証研究の要件適合性等調査)。820万円。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 出典(Gビズインフォ)
2020-07
助成
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「地熱発電技術研究開発・耐腐食性熱交換システムの実現可能性調査」 出典(Gビズインフォ)
2019-12
海外提携
マレーシア:佐賀大学経由で、SATREPSのマレーシアOTEC開発事業の主要部分を受注したとの記載がある。 出典
2018-01
海外提携
マレーシア:佐賀大学・マレーシア工科大学等による海洋温度差発電の実証プロジェクト。会社の参加はJICAの団体情報に記載。 出典
2017-06
資金調達
第三者割当増資。2億円。株式会社JCサービス、栄鋼管株式会社、株式会社エムズバンテック 出典
2012-07
共同開発
株式会社IHI:横河電機とともに深層水発電実証プロジェクトに選定され、OTEC設備開発で協力。 出典

提携先・顧客

共同開発
佐賀大学 OTECの研究開発・実証に連携。久米島の商用化実証にも参加。 出典
共同開発
株式会社商船三井 佐賀大学とゼネシスと久米島でOTEC商用化に向けた実証に参加。 出典
提携
沖縄県海洋深層水研究所 久米島のOTEC実証設備が置かれる地域の研究機関。 出典
共同開発
株式会社IHI 横河電機とともに深層水発電実証プロジェクトに選定され、OTEC設備開発で協力。 出典
共同開発
横河電機株式会社 IHI、ゼネシスと深層水発電実証に参加し、監視・制御システムを担当。 出典
顧客
食品工場(社名非公表) XPプレートを導入し、食肉加工廃水の熱回収と洗浄負担の低減を実施。 出典

特許

17 件 出典(Gビズインフォ)
Gビズインフォの法人番号別ページで掲載される特許件数。確認できた代表例を列挙しており、特許個別ページの網羅調査ではない。
主な分野全溶接プレート式熱交換器、造水・温度差発電システム、熱交換器の外殻・伝熱部構造
海外出願True
特開2020-034234「熱交換器」 国立大学法人佐賀大学、株式会社ゼネシス / 公開公報 出典
特許第7115680号「造水及び温度差発電システム」 国立大学法人佐賀大学、株式会社ゼネシス / 登録 出典
WO2020045659A1「造水及び温度差発電システム」 国立大学法人佐賀大学、株式会社ゼネシス / 国際公開 出典
MY207030A「造水及び温度差発電システム」 Univ Saga、Xenesys Inc / 公開 出典
特許第4666142号「熱交換器外殻構造」 株式会社ゼネシス / 登録 出典

会社の規模

従業員18名(2019-12-31時点) 出典(Gビズインフォ)
資本金2億円(2019-12時点) 出典(Gビズインフォ)
大学との関係関連ベンチャー

大学との関係

大学の認定
佐賀大学 佐賀大学発ベンチャー一覧に掲載。大学の認定ベンチャー一覧にも含まれる。 出典
共同研究
佐賀大学 海洋エネルギー研究所とOTECシステムを研究し、OTEC用の高効率熱交換器を共同開発・実用化。 出典

出資者(公開情報で確認できた5社)

POSCOPOSCO JAPAN株式会社株式会社JCサービス栄鋼管株式会社株式会社エムズバンテック
事業会社(CVCを含む) 5

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:20件
法人番号:1010001142153
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